癌の発症リスクと発症するまで

癌は突然発症する?

健康診断や癌検診で癌が見つかり、驚く方やショックを受ける方は少なくありません。
ある日突然見つかるイメージがありますが、がん細胞が突然生まれることはありません。
小児の癌は別として、癌が発症するには加齢をはじめ、生活習慣やストレスなどさまざまなことが影響を及ぼし、長年にわたって多くの要因が蓄積されることが発症につながります。
不規則な生活習慣や食生活の乱れ、睡眠不足、働きすぎ、タバコや過度な飲酒などさまざまなことが影響し、長年にわたって体にダメージが加わることで癌が発症するのです。


免疫による発症の抑制

長年にわたる乱れた生活習慣や偏った食生活、ストレスなどによって正常な細胞の一部ががん細胞化したとしても、免疫機能がしっかりと働けば、がん細胞を死滅させ、本格的な癌に発展するのを抑えられると言われています。
人間にもともと備わっている免疫システムを打ち破り、癌として発症するまでには10年、20年という長い年月がかかるのが一般的です。
逆にいうと、10年、20年と乱れた生活習慣を続けたり、お酒を飲み過ぎる生活を続けたり、タバコを吸い続けたり、無理をして仕事を頑張り続けたり、ストレスを溜めていくと、免疫機能も落ち、癌発症のリスクを高めます。
癌はいったん発症すると、どんどん増殖を続けていくので注意しなくてはなりません。
がん細胞は、周囲の正常な組織に侵入して増殖を続け、血液やリンパ液に入っていきます。
血液やリンパの流れに乗って、体のさまざまな部分へと転移していくのです。
がん細胞は細胞や組織の成長や維持に必要な栄養を奪っていくため、癌の進行とともに体が衰弱し、痩せていきます。
ダイエットをしているつもりもないのにやつれてきた時や疲れが激しい時はすぐに検診を受けましょう。

癌発症は遺伝?

癌には遺伝的な要素があるのは事実ですが、癌遺伝子が存在したとしても、すぐに誰もが癌を発症するわけではありません。
癌遺伝子に傷が付くと、細胞をがん化させます。
傷付く原因の多くは、やはり生活習慣の乱れやバランスの悪い食生活、ストレスなどです。
人間の体は、癌の増殖を促進する遺伝子が存在するリスクがある一方で、癌化を防ぐ癌抑制遺伝子も存在しています。
つまり、癌が増殖しやすい遺伝子を持っていたとしても、癌発症を防ぐ機能も備わっているのです。
遺伝による癌が発症するのは、体のバランスが崩れ、防御機能が効かなくなった時です。
バランスを崩さないためにも免疫を低下させないよう、生活習慣や食生活を見直し、ストレスを溜めない生活が大切になります。