妊娠時に気を付けたい病気の種類

妊娠時に気を付けたい妊娠高血圧症候群

妊婦全体の約8%に診られる症状で近年増えている高齢妊婦にとどまらず、初産婦のケースや肥満の方も注意が必要です。

妊娠高血圧は妊娠20週以降で初めて高血圧(140/90mmHg)を発症し、出産後3ヶ月以内には血圧が正常化する症状です。

軽度の症状は、妊娠による急激な体重増加などで起こることが多いため、体重のコントロールや塩分を控えるなどの食生活を管理することで、症状を抑えられます。

ですが、160/110mmHgと重症化すると、妊娠の強制終了といった残念な処置が必要な場合もあるので注意が必要です。

子癇について 

主に妊娠中の高血圧が原因となり、痙攣が起こる病気です。

妊娠中をはじめ、分娩中や出産後にも痙攣が起こることがあるため、注意が必要です。

痙攣の発作を起こす前に頭痛がしたり、めまいを感じたり、フラッシュを浴びるような眩しさを感じる方も少なくありません。

不安な症状を感じたら、産婦人科医などに相談しましょう。

風疹について

妊娠中に風疹にかかってしまうと、胎児にも感染する恐れがあります。

赤ちゃんが生まれた際に難聴や白内障、心疾患や心身の発達の遅れなど、障害が残る場合があるので注意が必要です。

赤ちゃんが障害を持って生まれる状態を先天性風疹症候群と呼びますが、障害を持っていることにすぐには気づきにくい場合も少なくありません。

先天性風疹症候群が起こるリスクは、特に妊娠初期から12週頃までの妊婦の感染で高いとされています。

事前に風疹の予防接種を受けることによって感染を予防できますが、妊娠中には予防接種を受けられません。

女性は妊娠する前に、必ず風疹の予防接種を受けておきましょう。

またご主人も風疹を妊婦に感染させないよう、風疹の既往を確認しなおし、過去に風疹にかかったことがない場合には、積極的に予防接種を受けることが望まれます。

トキソプラズマ症について

トキソプラズマ症はトキソプラズマ原虫という寄生虫人の口や目から体内に入って寄生することで引き起こされる病気です。

妊娠中に初めてトキソプラズマ症に感染した場合、胎盤を経由して胎児にも感染する恐れがあります。

感染時期によっては胎児に眼の異常や脳内石灰化、水頭症が発症する場合があるので気を付けなければなりません。

トキソプラズマ原虫は加熱が不十分な肉や、感染したばかりの猫のフンや猫のフンが混ざった土などに存在しています。

そのため、感染予防を図るためにも、妊娠中はユッケなどの生肉は食べない、肉は十分に加熱して食べる、生肉を扱った後の調理器具はしっかりと消毒し、手洗いをきちんと行う、など十分注意が必要です。

猫を飼っている場合には、妊娠中は猫のトイレ掃除はできるだけ行わずに、他の家族の方にお願いしましょう。

どうしても自分が行う必要がある場合には、手袋やマスク、メガネを装着し、トキソプラズマ原虫に触れないように、しっかりと対策をしましょう。

妊娠糖尿病について

妊娠糖尿病とは、妊娠中に発見または発症した糖尿病ほどではない軽い糖代謝異常です。

妊娠すると胎盤からでるホルモンの働きで、血糖の調節をするインスリンの働きが抑えられます。また胎盤でインスリンを壊す働きの酵素ができるため、妊娠していないときと比べてインスリンが効きにくい状態になり、より血糖が上がりやすくなります。妊娠中、特に妊娠後半は高血糖になる場合があり、一定の基準を超えると妊娠糖尿病と診断されます。

妊婦さんの79%は妊娠糖尿病と診断されるため、必ずかかりつけの医院で検査を受けるようにしましょう。

妊娠糖尿病は、母体だけでなく赤ちゃんにも合併症をもたらします。

母体には帝王切開率の増加、難産、羊水量の異常、子宮内胎児死亡といった合併症があり、

赤ちゃんには巨大児、形態異常、心臓の肥大、小児期~成人期のメタボリックシンドロームといった合併症が引き起こされることがあります。

なお、妊娠前から既に糖尿病と診断されている場合や、妊娠中に明らかな「糖尿病」と診断された場合は妊娠糖尿病より重度の状態ですので、血糖をより厳密に管理する必要があります。