てんかんの治療費と入れる保険②

てんかんってどんな病気?治るものなの?

てんかんとは

現在日本では100万人程度の人がてんかんと診断されています。
比較的身近な病気とも言えるてんかんですが、その実態はあまり知られていません。
というのも、これこそがてんかんの症状だ、と言えるものがないのがその理由の一つです。
てんかんの正式名称は「てんかん症候群」であり、さまざまな症状がまとめててんかんと一括りにされています。
では、どんな症状がてんかん症候群と呼ばれるのでしょうか。
代表的なものとしては痙攣が挙げられます。
もちろん、痙攣はてんかんでなくても起こる症状です。
てんかんと診断されるためには、脳の中である特定の働きが起こっていることが確認されなければいけません。
人間の脳の中にはニューロンと呼ばれる神経細胞がたくさんあり、それらが放電しなければ思考や運動は可能になりません。
しかし、中にはこのニューロンの放電が過剰になってしまう人が存在します。
過剰な放電が繰り返し起こってしまった結果、人間は痙攣を起こし、最終的にてんかんに至ってしまうのです。

てんかんは子どもの病気?

先ほど日本には100万人近いてんかん患者がいると言いましたが、これは現在てんかんを患っている方の数です。
つまり、かつててんかんを起こしたことがあるけれど、今はなんともなく過ごしているという人の数は含んでいません。
実際、子どもの頃てんかんを起こしたけれど、今は発作に悩むことはまったくないという方は少なからずいるでしょう。
そうした例が示す通り、てんかんは子どもの頃に一度起きたきりで後は治ってしまったというケースが多く存在します。
とはいえ、中にはそうした例から漏れて大人になってからもてんかんに苦しんでいるという人も存在するのです。

 

てんかんを治す方法はあるの?

では、そうした方がてんかんを治す方法はあるのでしょうか。
現在、てんかんの特効薬は開発されていません。
一方で、「抗てんかん薬」と総称される症状を和らげる薬なら多数存在します。
現状ポピュラーな治療法は、この抗てんかん薬を飲みながら症状を抑えつつ自然とてんかんが起こらなくなるのを待つというものです。
また、外科手術を行う方法もあります。
とはいえ、あくまでもこれは薬では到底てんかんの発作を抑えることができない難治性の症状を抱えた人のために行われる手術なので、大半の人は必要がありません。
そのほかの方法では、糖質を摂らない「ケトン食療法」や一時的に絶食する断食療法なども存在します。

 

てんかんの発作には前兆がある?

てんかん発作の前兆

てんかん発作を起こす前になんらかの前兆があるかは、その人によっても違います。
前兆がない人もいますし、前兆がある人でも、同じ前兆ではありません。
前兆を知ることができれば、発作が起こらないように対処することや急に発作を起こして周囲の方を驚かせないように対処もできます。
では、どのように前兆を知れば良いのでしょうか。

記録ノートをつける

発作が起きた時の状況を細かく記録するノートをつけていくことで、記録を振り返って、これが前兆かもしれないと気づくことがあります。
発作を起こした時の時間帯や状況、その直前に何か感じたことはなかったか、思い出せる範囲で記録しましょう。
発作を起こしている間の状況については、その時、周囲にいた家族や同僚などに聞ける範囲で確認して記録します。

 

よくある前兆

前兆は人それぞれであり、てんかん発作前に誰もに必ず起こる決まった前兆もありません。
なんらかの前兆を感じる人もいれば感じない人もいます。
前兆と見られるケースとしては、目の前に赤や白いものが見える、キーンといった高い音が聞こえる、手がムズムズした感覚になる、考えが飛んで集中できなくなる、胃のあたりが気持ち悪くなるなどが挙げられます。

 

前兆への対処

自分が発作前にどんな前兆が起こるかを知ると、前兆が来た時に発作が出ないように対処する、バタンと突然倒れるのではなく、ベッドやソファに横になった状態で発作を迎えるなど、卒倒によるケガのリスクを防ぐことや周囲を驚かせるのを防ぐことが可能です。
たとえば、考えが飛ぶという方は、そういった前兆が現れた時に一点に集中することで発作を抑えられるケースもあります。
また、手がむずがゆくなると発作が起こるという前兆がある方は、ムズムズしてきた際に拳を握ることや手をこするなどすると、発作が起こらずに済むというケースもあるのです。

 

発作の誘因を回避する

前兆を引き起こすてんかん発作が起こるきっかけとなる誘因も存在しています。
これも人によって異なるため、発作記録をつけていくことで解明が可能です。
たとえば、睡眠不足や疲れている時、驚いた時や過度な緊張が加わった時、強い光を浴びた時やチラチラと点灯する光を見た時、ゲームをしている時、誰かに怒りの感情が湧いた時などです。
こうしたてんかんの発作を引き起こす誘因がわかれば、誘因を起こさないように対応が可能になります。
睡眠不足にならないよう、しっかり寝る、疲れないようにする、人に怒りを持たないようにするなどです。

てんかんを抑制することや軽減させる対策とは

てんかんによる不安

てんかんが発症すると、短期間で治癒するのはなかなか難しいのが実情です。
治療で抑制しながらも、長く付き合っていかざるを得ないこともあるため、どのように生活をしていくのか対策を考えることも大切になります。
なぜなら、外出先や人前で発作を起こすのが不安となり、引きこもりがちになってしまう方もいるためです。
お子様でも大人でも、たとえば学校や職場で倒れて、救急搬送され、周囲を驚かせてしまったことがトラウマになってしまうケースもあります。
外での発作がきっかけで、登校拒否になる場合や会社を辞めてしまう方も少なくありません。

てんかんとうまく付き合う方法

てんかんとうまく付き合うためには、まずはてんかん専門医の診断を受け、治療方針を決めましょう。
処方された抗てんかん薬を、規則正しく、しっかり飲んでいくことが大切です。
薬が効けば、発作の抑制につながり、発作を起こりにくくし、仮に起きても軽度の症状でおさまることが期待できます。
発作がおさまれば、少し気分も軽くなり、冷静に考えられるようになります。
薬を継続的に服用しつつ、発作ノートもつけるようにしましょう。
発作が起きる前に行っていたことやその前後の状況、発作時の状況などを記録することで、後から振り返って見えてくることがあるからです。
たとえば、寝不足が続いた時や緊張が続いた時、ゲームやテレビを長時間していた後に発作が起こるなど、発作を誘因する原因がある方もいます。
また、発作が起きる直前に視界がチラチラする、高い音が聞こえる、手のひらがムズムズするなどの前兆が起きる方も少なくありません。

セルフコントロール力を身につける

こうした原因や前兆を把握できれば、発作を起こさないように生活を管理して、前兆を感じたら、いきなり倒れないように座ることや横になるなどの対処ができます。
てんかんの発作は突然起きてコントロール不可能と思われがちですが、実はセルフコントロールが可能です。
薬によって症状を抑えつつ、セルフコントロールができるようになると、発作の回数が減り、突然周囲を驚かせるような心配も減らせます。

トレーニングプログラム

トラウマやコンプレックスに苦しんでいる方や不安で眠れないなどストレスを抱えている方は、てんかん専門の医療機関でワークショップやリハビリ、各種のトレーニングプログラムに参加するのもおすすめです。
医師や心理士、作業療法士などの専門家が、てんかん患者に寄り添い、安心して快適に暮らしていけるよう、精神面の保ち方も含めたアドバイスやトレーニングをしてくれます。

 

てんかんになると保険に入れる?

生命保険や医療保険の場合

生命保険や医療保険は、突然の病気やケガで入院や手術が必要になることや高度障害や死亡した時に金銭的な保障が得られるものです。
すべての契約者が支払った保険料を財源に、万が一のことがあったら一人ひとりに高額な保障が支払われます。
そのため、契約者は平等である必要があり、すでに病気であるなど、支払リスクの高い方は加入が認められないか、健康な方より高い保険料を支払う場合や支払う保険金額を制限される場合があります。
てんかんの場合、一般的な保険会社では加入ができないケースが多いです。
てんかんで入院するリスクも高いだけでなく、発作が原因でほかの病気を引き起こす場合やケガをするリスクも高いためです。
たとえば、発作が激しく心臓発作を起こす場合や脳梗塞などを起こすおそれ、呼吸困難に陥って死亡するリスクもあります。
また、発作を起こして倒れたことで、階段から落ちる場合や頭を打って死亡するなどのおそれもあるためです。

加入できる生命保険や医療保険

一般的な保険会社では加入できないケースが多いですが、加入できることもあります。
保険会社の診査センターで健康診断を受け、社医による診査を受けたうえで、一定の条件を付けられて入るケースが一つです。
社医が認めていれば、保障を受けることはできますが、条件付きといって、てんかんによる入院やてんかん発作に起因する入院や死亡は保障対象外になる場合や金額が抑えられるおそれがあります。
一方、一部の保険会社では、てんかんなどの症状がある方専用の保険を用意しているケースもあります。
同じようなリスクを抱える方を契約者にするので、平等が図られ、リスクを考慮した保障内容にすることで、難しい診査などを受けなくても入ることが可能です。

 

自動車保険の場合

てんかん持ちの場合、そもそも自動車免許が取得できないこともあります。
ただし、発作が過去5年間以内に起きておらず、医師が今後発作が起こるおそれがないとの診断を行ったケースや運転に支障を来す発作が過去2年間以内に起こったことがなく、医師が今後数年間は発作が起こるおそれがないという診断を行った場合など、一定の条件を満たす場合には個別に判断され、免許が与えられます。
免許を取得して実際に車を運転するには、必ず、自賠責保険に入らなくてはなりません。
これは、対人補償の強制保険ですので基本的に入れます。
では、自分の補償も含めた任意の自動車保険に入れるかというと、各社で対応が異なるため注意が必要です。
てんかんをはじめ、特定の病名による加入制限はないとするケース、持病があっても合法の運転免許を取得していれば無条件で加入できるというケース、過去の事故多発歴や事故状況から個別に加入を拒否することがあるなどです。
また、実際の保険金支払時に個別に審査するというケースもあります。

 

 

てんかんと診断されたらどのようなことを行うべき?

冷静に受け止める

てんかんと診断されると本人はもちろん、本人が子どもの場合には親や家族も不安になります。
発作を起こすと、周囲の人も万が一のことが起こるのではとパニックになることが少なくありません。
見た目では不安になる症状ですが、てんかんの発作ですぐに命を落とすことは基本的にありません。
一方、簡単に治るものではなく、発作を薬で抑えながらも、長く付き合っていくことになる病気であるため、少し時間がかかるとしても、事実を受け止めることが大切です。

 

服薬を規則正しく行う

てんかん治療の基本は、抗てんかん薬の服用です。
規則正しく、処方通りに服用していくことで、多くの方は発作の頻度や症状を抑えることが可能になります。
薬を飲み忘れた場合や発作が起こらなくなったからといって、勝手に飲むのをやめてはいけません。
医師を信頼し、処方通り服用を継続していきましょう。

症状の記録をつける

服薬をしながら、行いたいことは日々の状態の記録です。
発作が起こるまでの兆候や元気な時との違いをわかりやすく把握するために、毎日体調の変化や気になったことなどを記録していくのがおすすめです。
毎日の記録は難しい場合も、発作を起こした時の記録はつけるようにしましょう。
発作前に何か異変はなかったか、どのように倒れてどのような発作状態だったのか、家族や同僚などにヒアリングして記録します。
後から見るのは辛いかもしれませんが、発作を起こしている状況をスマホの動画で撮影してもらうと、治療やセルフコントロールに役立ちます。
医師が治療をするうえでの判断材料にすることが可能です。
また、倒れ方などを見て、気を付けるべきポイントを検討できます。
急に頭から倒れるような場合、倒れた瞬間に頭を打ってケガをすることや深刻な状態になるリスクがあります。
そうならないよう、前兆を察したら、イスに座って休むことやソファに横になるなどのセルフコントロールが行えれば、頭を打つリスクを回避することが可能です。

 

前兆をつかみセルフコントロール術を身につける

記録を付けていくと、発作の兆候などが見えてくることがあります。
発作を起こす前は寝不足が続いていた、ストレスが溜まる状態にあったなどです。
また、人によっては光によるチラチラとした刺激が原因で発作に至るといった方もいます。
指がムズムズかゆくなる場合や頭がボーっとすると発作が起こるという方もいます。
こうした前兆や誘因を把握できれば、そうならないように気を付けるなど、発作を予防することや軽減するセルフコントロールが可能です。

てんかんの治療に向けて取り組んでいきたいこと

治療の基本

てんかんの治療の基本は抗てんかん薬を使った薬物療法です。
規則正しい生活をしながら、毎日、決まったタイミングで、決められた量を規則正しく服用しなくてはなりません。
薬物療法を一定期間、ルールを守って行っても発作が軽減されないなどの場合にのみ、手術や食事療法が実施されます。

リハビリ療法

てんかんの患者さんの中には、発達の遅れが見られた場合や体の障害が生じるケースも少なくありません。
また、薬物療法や外科療法を行っても、まったく発作が出なくなる方は少なく、再び発作が起こるかもしれないという不安を抱えている方も多いです。
そのため、日常生活や社会生活に適応できるよう、精神面から肉体面に至るまでリハビリなどを通じて、生活しやすい状態へと改善、回復させる取り組みが行われることもあります。
作業療法士による認知機能の改善やストレス対処法のトレーニング、就労ができるように必要なリハビリが実施されます。

 てんかん手術とリハビリ

てんかんの手術を受けた場合、術後に可能な限り早い段階でリハビリを行うことが必要です。
脳神経などの手術を行うことから、術後しばらくは思うように手足を動かせなくなることや言葉がうまく出てこなくなることがあるためです。
術後の状態に応じて、作業療法や理学療法、言語療法などのリハビリが実施されます。

 

社会参加や社会復帰に向けたプログラム

てんかん治療を行って発作の頻度が減ることや症状が軽減されることはありますが、完全に発作がなくなるのは難しいのが実情です。
また突然発作が起こるかもしれない、それが家族がいる自宅ならまだしも、学校や職場、公共の場などであると、いっそう不安が募ります。
てんかんの知識や発作のメカニズムを学び、自分の症状を理解し、てんかんとの向き合い方や自分で対処できることを学ぶプログラムなども行われています。
自分の発作がどのような時に起こりやすいかを分析し、ストレス耐性を高めることやリラクゼーションを図るなど、セルフコントロールする方法を身につけることも大切です。
てんかんという病気と向き合い、自分の症状の現れ方などを理解することで、発作が起こらないように努めることや発作が起きることを友人や職場の同僚などに自ら説明し、発作時のサポートを受けるなど環境づくりをすることが可能となります。
発作が出るからと不安になって、自宅に引きこもっていては生活もできず、人生も楽しめません。
こうしたプログラムを通じて、てんかんと上手に付き合っていくことも必要です。

 

 

てんかんかなと思ったらどこに診察に行けばいいのか

てんかんの診察はどこに行けばいいのか

てんかんであるかの診断や、治療を受けていくには専門的な知識が必要です。
診断にあたってはこれまでの症状のヒアリングをはじめ、家族などによって撮影された、てんかん発作と思われる動画の検証、脳波検査やMRI、血液検査などが実施されます。
てんかんとにた症状を示す疾患として、各種の精神疾患や代謝性疾患、薬物・アルコール中毒をはじめ、自律神経疾患や心臓循環器疾患など多岐にわたるため、確実な診断が受けられるよう、専門性の高い医療機関や専門医のもとで診察を受けることが大切です。

てんかん専門医療機関

てんかん症状のある人が、お住まいの地域で適切な支援を受けられるよう、てんかん地域診療連携体制整備事業が推進されています。
全国で均一なてんかん診療を行える体制を整備する国の事業であり、2015年度から3年間にわたってモデル事業が行われた後、2018年度からは本格的に実施されています。
てんかん診療の地域連携と、てんかん拠点医療機関のネットワーク強化を図ることが目指されており、以下のような医療機関で診察を受けることが可能です。
 
・てんかん支援拠点病院
 
都道府県単位で実施されており、大学病院などがてんかん支援拠点病院になっています。
2021年7月時点で、全国23道府県にてんかん支援拠点病院があります。
お住まいの都道府県に拠点病院があるか、確認してみましょう。
 
・てんかん全国支援センター
 
全国統括をする医療機関で、現在、東京にある国立精神・神経医療研究センター病院が指定されています。
脳神経小児科、精神科、脳神経外科、神経内科のてんかん専門医が連携し、あらゆる年代のてんかん患者に対応できる体制が整えられています。
 
・てんかんセンター
 
全国で活動するてんかんセンターにより構成される全国てんかんセンター協議会(JEPICA)の加盟施設が全国各地にあるので、一覧から調べてみましょう。

てんかん専門医

日本てんかん学会が認定する、てんかん学会専門医がいる医療機関を日本てんかん学会のサイトで検索して受診することが可能です。
てんかん専門医の認定条件として、多くのてんかん患者を実際に診療してきた実績があり、診療に必要な臨床的能力を十分備えていること、そして、日本てんかん学会専門医(臨床専門医)試験に合格することが求められます。

てんかん支援ネットワークの活用

厚生労働省・都道府県・てんかん学会・てんかん協会・全国てんかんセンター協議会の支援のもと、てんかん支援ネットワークが運営されています。
全国のてんかん医療を行っている医療機関の情報が掲載されているので、検索してみましょう。

てんかんを持っている場合に生じるリスクの事例

運転に気を付ける

てんかんの発作を持っている人は、運転はしないほうが良いと言えます。
万が一運転中に発作が出ると、ハンドルを切り損ねてしまうリスクは十分に考えられます。
発作は起きている時は意識はありません。
その結果、大きな事故につながる可能性があり、自分だけでなく他人の命も絶ってしまっては大変です。
てんかんを持っている場合には、運転が必要な仕事には就けません。
ドライバーの職種ではなくとも、少しくらい会社の車の運転なら良いのではと考える人もいるでしょう。
しかし、ちょっとそこまでの運転でも、最中に発作が起きて事故を起こす可能性は大いにあります。

 

女性の場合のリスク

女性でてんかんの持病がある場合、妊娠出産に関するリスクが生じるケースもあります。
まず、てんかん発作の薬を服用している人は、胎児に薬の影響が出ないのか心配になるでしょう。
薬を飲んでいるせいで障害のある子が産まれて来ないか不安で、妊娠を避ける女性もいるようです。
しかしながら、薬を飲んでいても無事に元気な赤ちゃんを産んだ事例はたくさんあります。
さらに、妊娠中に発作を起こすと流産してしまわないかという疑問も生まれるかもしれません。
安定期に入るまでは流産しやすい状態ですので、やはり事前に薬で発作を防ぐ必要が出てきます。
自分の判断で薬をやめず、医師に相談して適切な対応を取ることが何より大切です。

 

遊園地やマリンスポーツでのリスク

入レジャーやスポーツにおいても、てんかん発作のリスクはあります。
たとえば、遊園地でのジェットコースターやバンジージャンプのような刺激の高いアクティビティは避けたほうが無難です。
興奮度が増してストレスが生じることで、発作を起こす確率が高まるからです。
お化け屋敷もやめておくほうが安心と言えます。
スポーツにおいては、海やプールでの競技は気を付けましょう。
特に禁止されているわけではないですが、特に子どもの場合には水中で発作が起きて溺れる可能性があることは否めません。
保護者やインストラクターがそばについて、いつ何時発作が起きたとしても大丈夫な環境で行うようにします。

 

就職に関するリスク

てんかんがあると、採用されにくい仕事があります。
まず、運転がメインになる仕事は本人としても不安なので避けましょう。
また、高い場所での仕事も危険です。
たとえば、現場で足場を組んで高い場所で作業することは、もし発作が起きると落下の危険があります。
庭師のように梯子の上で作業する仕事も危ないです。
そのほか、美容師もお客さんの髪をカットしている時にてんかんが起きると大変です。
外科医なども、てんかんを持っているとメスを入れることができません。
就職の際は面接時に、てんかんを持っていることを正直に話す必要があります。
そして、企業側が安全に作業できる業務内容であるかを判断するのです。
とはいえ、薬を飲みながらできる仕事はたくさんあります。
あまり深く考えすぎずに、前向きに挑むことも大切です。

 

てんかんの発作も症状はさまざま

突然起こるてんかんの発作

てんかんの発作は前兆を感じる方もいますが、多くの場合、突然起こります。
家族がいるリビングや教室、職場などであれば、まだ気づいてくれる方がいるのでいいのですが、自宅でお風呂に入っている時や、道路を横断している時、1人で公園にいる時など、いつ起こるかわかりません。
また、発作といっても、その方の症状や時と場合によりさまざまです。

 

意識のある発作

意識を失うことや倒れることもなく、自分でも状態がわかっている発作です。
顔がひくひくすることや手足のごく軽い痙攣やしびれ、胃のあたりが気持ち悪い、鳥肌が立つといった身体症状が現れることがあります。
また、昔の記憶がフラッシュバックすることや急に喋れなくなる、時計の音が早く感じるなどの症状が起こることもあります。

 

焦点意識減損発作

意識がボーっとし、活発な行動を取ることがある周囲を驚かせるような発作です。
本人はその時のことを覚えていません。
急にそれまで行っていた行動が止まり、顔の表情や姿勢はほとんど変わらないまま反応がなくなります。
意識が曇ったようになり、突然、部屋から飛び出すことや崖をよじ登るような突飛な行動に出ることも少なくありません。

 

意識が短時間とぎれる発作

意識が短時間とぎれる発作と、体の一部がピクッと動くミオクロニー発作が起こる状態です。
周囲に家族などがいる場合、万が一、倒れた時に備え、安全な環境を確保しましょう。

 

痙攣を伴う発作

てんかんの発作の典型的な発作で、大発作と呼ばれることもある症状です。
全身が硬直し、細かい痙攣が10~20秒ほど続きます。
手や足が強く突っ張り、体はのけぞり気味になるので、周囲の方は驚かれるかもしれません。
その後、リズミカルな痙攣が30~60秒くらい続きます。
体がこわばっている時は呼吸は止まっていますが、硬直が緩和されると呼吸が深くなり、口から泡を吐くケースも多いです。
尿や便を漏らしてしまうこともあります。

 

倒れる発作

てんかんの発作もさまざまなパターンがあり、すべての発作で倒れるわけではありません。
ですが、倒れた際に頭を打つ場合や手をついて捻挫や骨折するようなケースもあるので注意が必要です。
たとえば、体がこわばる痙攣が起きると、棒状に倒れることがあります。
また、意識がもうろうとし、立っていられなくなって倒れることもあります。
脱力するタイプの発作では、崩れるように倒れる場合や尻もちをつくケースが少なくありません。
ピクッとするミオクロニー発作の場合、まるで足払いをされたように倒れます。
倒れても自分で置き上がれる場合と、倒れた後に強直した状態になることや意識を失ってしまう場合もあるので注意しましょう。